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模様編みの外側から、内側の布地が見える、
いわば「重ね着」をしたクマのあみぐるみ。
より冒険的なものをつくりたいという意志で、
タカモリさんは初めてこの手法に挑戦しました。
「井原西鶴の文章で、町人が、枯れ木柄の着物の上から
花柄の透ける着物を重ねる着こなし
が描かれていたんです。
その様子が、木に花が咲いているように見えるという。
この格好よさを、いつかあみぐるみでできたらいいなあ
と思っていたんです」
(タカモリ・トモコ談)
「模様編み」にした外側の毛糸は、スペイン製。
以前、タカモリさんが展示会に参加したさい、
むかし洋品店をやっていたというおばあさんから、
「店は閉めたけれど、毛糸は処分できなくて‥‥。
よろしかったら、これで編んであげてください」
と譲り受けたもの。
タカモリさんは、「いつかたいせつなときにこれで編もう」
と、その毛糸をたいせつにしまっていたそうです。
編んでいくときのイメージは「雲」。
こうしてうまれた作品が、
「おばあちゃんからの贈り物 クマのクラウド」です。
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